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親の物忘れがひどくなった
こんにちは、心療内科医のゆうです。 今日は「認知症」についてお話ししたいと思います。 認知症は、脳の認知機能が低下することで生じる状態ですが、その中には改善が見込めるタイプと、緩徐に進行していくタイプの2つがあります。また「認知症=物忘れ」というイメージが一般的ですが、もともと知的レベルが高い方や、精神症状が中心となるタイプでは、必ずしも短期記憶障害が目立たないこともあります。 まず、改善が見込める認知症としては正常圧水頭症などが代表的です。また、急激に症状が進行するものとしては、外傷に伴う慢性硬膜下血腫などが挙げられます。最も頻度が高いのはアルツハイマー型認知症で、短期記憶障害に加え、BPSD(周辺症状)と呼ばれる精神・行動面の変化が目立つ場合もあります。いずれのタイプであっても、高齢者では症状がはっきりしないことが多く、ご家族からの情報提供や詳細な病歴聴取が、その後の検査や治療方針を決めるうえで非常に重要です。また、身体疾患が認知機能の変化の背景に関わっている場合もあるため、かかりつけ医での検査結果なども重要になります。物忘れだけでなく、食欲
2025年12月5日
自律神経が悪い
こんにちは、心療内科医のゆうです。 今日は「自律神経失調症」についてお話ししたいと思います。自律神経失調症は、実は正式な病名ではありません。今から約60年前に東邦大学内科教授の阿部達夫先生が名付けた病態です。 自律神経とは、心臓を動かしたり、汗をかいたり、体温を保ったりなど、自分の意志ではコントロールできない体の働きを調整する機能です。この自律神経には、活発にさせる「交感神経」と、リラックスさせる「副交感神経」の2種類があり、ふつうはこの2つがうまくバランスを取っていますが、そのバランスがくずれると、動悸、めまい、体がだるいなど、いろいろな体の不調が出てきます。これが「自律神経失調」と呼ばれる状態です。 原因にはストレスなどで緊張しすぎての場合もあれば、睡眠の病気(睡眠時無呼吸症候群など)や起立性調節障害などが原因のこともあります。さらに、神経の病気(パーキンソン病など)が関わっていることもあります。ところが実際には、「自律神経失調症です」と言われただけで、原因を調べてもらっていない人も少なくありません。本当の原因を見つけて対応しないと、症状は良
2025年10月3日
生き方の不器用さ
こんにちは、心療内科医のゆうです。 今回は「生き方の不器用さ」についてお話ししたいと思います。少し抽象的なテーマですが、この不器用さには性格的な要素が関与する一方で、医療的な介入によって改善が期待できるケースもあります。 例えば、知能検査の結果、特定の能力が他の能力に比べて極端に低い場合(これを「ディスクレパンシー」と言います)、その差が「不器用さ」として現れることがあります。このような場合、まずは知能検査を受けて自身の得意・不得意を明確にし、その結果をもとに治療者と相談しながら対策を考えることが一つの方法となります。 また、「その場の状況が分からない」「どう振る舞えばいいか分からない」といった困難を感じる方には、ソーシャルスキルトレーニング(Social Skills Training, SST)が有効な場合があります。苦手な場面について治療者とディスカッションを重ね、ロールプレイを行うことで、次回同様の状況に直面した際に適切に対応しやすくなります。こうしたトレーニングを積み重ねることで、社会生活をよりスムーズに送ることができるようになるのです
2025年3月7日
頭痛が酷い
こんにちは、心療内科医のゆうです。 今回は頭痛についてお話ししたいと思います。頭痛には大きく分けて、一次性頭痛と二次性頭痛があります。一次性頭痛とは、片頭痛や筋緊張型頭痛といった、いわゆる「頭痛持ち」による頭痛のことを指します。一方、二次性頭痛は、くも膜下出血やその他の器質的疾患に伴うもので、緊急性が高く、高度な医療が必要となります。今回は、この中でも一次性頭痛とその関連疾患についてお話しします。 実は、日本人の約3人に1人が頭痛持ちだと言われているほど、頭痛はとても身近な症状です。多くの方は市販薬で対応されていますが、中には頭痛外来や一般内科を受診されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。典型的な片頭痛や筋緊張型頭痛であれば、内科での対応が可能なことがほとんどです。しかし、頭痛が生理の時にひどくなる場合や、痛みが強すぎて眠れなくなったり、気分が落ち込むといった症状を伴うことがあります。また、頭痛が長引くことで「何をやってもダメだ」という破局的思考に陥り、精神的に大きな影響を受ける場合もあります。このような場合には、頭痛の治療とともに、精神
2024年12月12日
思考が鈍くなった気がする
こんにちは、心療内科医のゆうです。 今回は不眠症についてお話したいと思います。不眠症は読んで字のごとく「眠れない」ことですが、その原因は多岐にわたり、精神疾患の発症にも関わるため、その根本的な原因を探り、適切な治療を行うことが非常に重要です。 例えば、不眠症で来院される患者さんで多く見かけるのがアルコール関連の不眠症です。アルコールは入眠を助ける成分を含んでいますが、睡眠の質を悪化させる要因にもなります(例えば、夜間にトイレに起きてしまい、再び眠れなくなるなど)。そのため、WHOをはじめとするさまざまな学会では、まず禁酒を推奨しています。 私の治療の印象でもアルコール関連の不眠症は禁酒と睡眠習慣を戻すまでの間の薬で3か月で9割以上の患者さんが症状改善しています。 また不眠症の1つに睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome; SAS )があります。最近TVのCMで頻繁に取り上げているため、ご存じの方も多いかと思いますが、SASは寝ている間に舌の根本(舌根)や気道が狭まることにより、寝ている間に窒息状態になり、脳をはじめ体中が低酸
2024年6月24日
狭い所が怖い、人混みが怖い
こんにちは、心療内科医のゆうです。 皆様には日頃から診察の際にメモをお持ちいただき、診察や待ち時間の短縮につながっています。ご協力いただき、誠にありがとうございます。 今日は不安症についてお話したいと思います。不安症とは以前にも「息がしにくい、パニックになる」というブログで説明したパニック症や対人恐怖などの症状を伴う社交不安症、漠然とした不安感を伴う全般性不安症を総称したものです。 主にある特定の場面(トンネルなどの狭い場所、レジに並ぶなどの動けないところ、電車内など)で生じる不安感はパニック症、対人関係で生じる不安感(目を合わせられない、人前で文字を書くと手が震えるなど)であれば社交不安症、特にきっかけもなく生じる不安であれば全般性不安症という診断になります。 ただこれら不安症は薬物療法がとても有効であり、薬物療法で不安感を軽減しながら、心理的に不安になる状況や場面を乗り越えていく(例えば暴露療法や認知行動療法など)を行うことが治療となります。 ただ注意が必要なのは常にこういった不安感がある患者さんではなく、たまに上記で述べたような不安感が生じ
2024年6月10日
吐いてしまうんじゃないかと心配になる
こんにちは、心療内科医のゆうです。 多くの患者さんが、ブログをきっかけにメモを持参して頂き、日々の診察や待ち時間の短縮につながっています。ご協力頂き、誠にありがとうございます。今回は心因性嘔気・嘔吐症についてお話したいと思います。 心因性嘔気・嘔吐症は正式な病名ではなく、正確には中枢性嘔気・嘔吐症と呼ばれます(これも正式な病名ではありません)。他には嘔吐恐怖などとも呼ばれます。この疾患は器質的異常や精神的異常(例えば適応障害など)を認めないにも関わらず、吐き気や嘔吐、他人が吐いている場面を見て自分も気分が悪くなるなどの症状が長期間続く状態を指します。その結果、食欲不振や乗り物酔いなどの問題が生じます。抗がん剤治療や他の疾患の治療中に嘔気が生じた場合でも、それらの治療が終了した後も嘔気が続く場合は、この疾患の可能性を疑います。先日、ある芸能人がネット記事でこの疾患について話されていましたが、この疾患は薬物療法がとてもよく効くので今回ブログに取り上げました。 当院では薬物療法と並行してその奥底に隠れている心理面からのアプローチを行い、薬なくても症状が
2024年3月11日
家族の話
こんにちは、心療内科医のゆうです。 今回は家族力動(family dynamics)についてお話したいと思います。家族力動とは、家族全体を1つの治療単位と捉え、家族の機能や問題点に焦点を当てるアプローチです。家族は血縁の有無に関わらず、様々な感情が生まれ、協力や対立が生じる集団でもあります。その力動を理解し、治療に活かすことが目的です。 例えば、両親、子供の3人家族を考えてみましょう。子供の受験に両親も一緒になって頑張る、という場面では家族力動は一つの目標に家族全員が向かっているため、力動は一方向になります。一方で子供の進路や生き方に対して、子供の意に反して両親が「こうあるべきだ」と押し付ける力が子供に向かう形となります。もし子供に反発する力があるならば、両親の力に反発する形となりますし(反抗期)、昔から子供の反発を抑えつけるように育ててきたならば、子供には外に向けて反発する力がないので、内面に反発する力が働くようになります。これが心理的な影響を与え、摂食障害や持続的な抑うつ状態につながることがあります。 では家族力動を考えるとき、「親が悪い」の
2024年1月29日
薬の話
こんにちは、心療内科医のゆうです。 多くの患者さんが、ブログをきっかけにメモを持参して頂き、日々の診察や待ち時間の短縮につながっています。ご協力頂き、誠にありがとうございます。 今日は薬物療法についてお話したいと思います。精神科・心療内科分野の薬物療法は主に症状を減らすことを狙いに処方しています。うつ症状なら抗うつ薬となりますが、抗うつ薬も複数の種類があり、基本的にはその患者さんの病前性格を考慮して処方します。問題は精神科・心療内科系の薬はポリファーマシー(多剤併用)になりやすい、という点です。よくあるのが、眠れないので睡眠薬①→+睡眠薬②を追加・・・と次々と処方が増えていくケースが良くみられます。 精神領域の薬物療法の基本は「最低限の種類で効果域まで量を上げる」こと、またこれは私見ですが、処方変更はあくまでも「足し算(新しい薬を追加)」ではなく、「引き算(新しい薬を追加した分、何か薬を止める)」を目指すことがポリファーマシーを防ぐことになるのではないかと思われます。 よく抗精神病薬に対する抵抗感の話を聞くことがありますが、例え漢方薬でも複数用い
2023年10月17日
朝がつらい
こんにちは、心療内科医のゆうです。 皆様には日頃から診察の際にメモをお持ちいただき、診察や待ち時間の短縮につながっています。ご協力いただき、誠にありがとうございます。 今日は起立性調節障害(Orthostatic Dysregulation;OD)や季節性感情障害(Seasonal Affective Disorder;SAD)についてお話ししたいと思います。この2つの病気は全く別物ですが、共通するのは「起きるのが辛い」「午前中がだるい」という点です。ODは主に小児から思春期にみられる症状であり、こういった子供に多い、という特徴はありません。ODは原因不明の自律神経機能不全によって生じるとされています(決して心の問題やなまけ病ではありません)が、感染症後に多く認める印象があります。一方でSADは別名冬季うつと呼ばれていて、うつ病の一つとなります。しかし、過眠(通常のうつ病では不眠)、食欲が増す(通常のうつ病では食欲低下)、春になると回復するという点が通常のうつ病とは異なります。SADの原因は日照時間の不足が原因であるため、日照時間が短くなる冬場に
2023年10月15日
お盆です
こんにちは、心療内科医のゆうです。 今日は対象喪失反応・悲嘆についてお話したいと思います。対象喪失反応とは「愛着を持っている物・人を失った」際に現れる反応で、生きている限り必ず経験する当然の心の動きです。更にその失ってしまったことについて嘆き悲しむ反応を悲嘆と呼びます。悲嘆には「予期悲嘆」「単純悲嘆」「複雑性悲嘆」の3つがありますが、予期悲嘆や単純悲嘆は自然な反応である一方、複雑性悲嘆は病的悲嘆と呼ばれ、積極的な治療の対象となります。 さて、この対象喪失や悲嘆の治療は?と言われると、一番は「時間が解決する」ことになります。時間が経つとともに、失ったものがない生活に自身の生活が再構築され、それでまた「前を向かって」歩んでいくことが出来るようになります。しかし「じゃあ次に行ってみよう」と割り切ることは簡単ではありません。割り切るには「喪の作業」という心の整理が必要となります。日本では、この喪の作業にあたるのが葬儀や法事、お盆になるのではないかと思います。亡くなった人との思い出の時間は止まっているのに、自らは止まらない時間に急かされるように無理やり生き
2023年7月24日
夜が寝苦しくなった
こんにちは、心療内科医のゆうです。 今日は睡眠についてお話したいと思います。そもそも睡眠とは「頭を休ませる」「体を休ませる」「記憶を定着させる」「成長する」という重要な働きを持っています。思春期の場合、後半2つが最も重要となりますが、25歳以上では主に前半2つが睡眠の主な働きになるのではないかと思われます。 よく適切な睡眠時間は?ということを質問されますが、現在でもこの適切な睡眠時間の研究が行われていて、確立された睡眠時間はありません。ただ少なくとも短すぎ(6時間以下)や長すぎ(10時間以上)はその後の予後に影響があるようです。 さて今の時期(梅雨~初秋)は睡眠の質が落ちやすくなりやすい時期です。睡眠の質を上げるためには寝具や寝始める環境が重要となります。人間は普段の体温より少し低めの状態になると眠くなりやすく(眠りが持続し)、普段の体温まで体が温まると目が醒めます。つまり寝ている間に体温が上がると途中で体温が上がり、中途覚醒に繋がってしまいます。そのため、この時期の睡眠環境は、寝室の温度や湿度に気を遣う、寝る前のシャワーは「冷たすぎず、熱すぎず
2023年7月10日
カフェインとの付き合い方
こんにちは、心療内科医のゆうです。 今日は睡眠についてお話したいと思います。そもそも睡眠とは「頭を休ませる」「体を休ませる」「記憶を定着させる」「成長する」という重要な働きを持っています。思春期の場合、後半2つが最も重要となりますが、25歳以上では主に前半2つが睡眠の主な働きになるのではないかと思われます。 よく適切な睡眠時間は?ということを質問されますが、現在でもこの適切な睡眠時間の研究が行われていて、確立された睡眠時間はありません。ただ少なくとも短すぎ(6時間以下)や長すぎ(10時間以上)はその後の予後に影響があるようです。 さて今の時期(梅雨~初秋)は睡眠の質が落ちやすくなりやすい時期です。睡眠の質を上げるためには寝具や寝始める環境が重要となります。人間は普段の体温より少し低めの状態になると眠くなりやすく(眠りが持続し)、普段の体温まで体が温まると目が醒めます。つまり寝ている間に体温が上がると途中で体温が上がり、中途覚醒に繋がってしまいます。そのため、この時期の睡眠環境は、寝室の温度や湿度に気を遣う、寝る前のシャワーは「冷たすぎず、熱すぎず
2023年7月3日
診察で伝えきれているか心配
こんにちは、心療内科医のゆうです。 今日は精神療法についてお話したいと思います。 心療内科・精神科の診察というと、「お話聞いてくれて」「薬出して」というイメージが強いかと思います。特に心療内科の場合は、たくさんお話聞いてくれて・・・というイメージを持っている方がいるのではないか?と思われます。しかしこの「お話を聞く」というのも治療の一環であり、目的があります。そのためどんなお話でもいい、というわけではありません。精神療法には支持的精神療法、ブリーフセラピーや認知療法などがあり、その患者さんに合わせてどの治療を行うかを決めています。 ただ実際の診察場面では一人一人の患者さんに多くの時間を割くことが出来ないため、支持的精神療法をコンパクトに行っている場合が多いのではないかと思われます。一方で十分に時間が割かれていない診察は「何か雑に扱われているのでは?」と思われる患者さんもいらっしゃるかもしれません。しかし患者さんにとって一番重要なのは「十分に時間が割かれていること」ではなく、「伝えたいこと・聞きたいことを漏れなく主治医に伝えられて、確認が取れたこと
2023年6月26日
自分がどう思われているのか気になってしまう
こんにちは、心療内科医のゆうです。 今日は愛着障害についてお話したいと思います。 愛着障害とは乳幼少期に様々な理由で養育者との情緒的交流、愛着形成が上手く出来ず、大人になってから精神的な問題が発生してしまう障害です。Bowlbyの発達理論によると、幼少期は安全基地である親の保護を受けながら、色々な経験をして、不安になれば安全基地である親の元へ戻り、また冒険する、という過程を繰り返して成長していきます。でもその安全基地が不安定だと、子どもは安心することが出来ない=安定した精神的成長が妨げられます。 また子どもは親に「愛されること」「褒められること」を常に期待しています。だから褒められるために色々なことをします。 しかしその時に親がいつも褒めるのではなく、その時に親の気分によって褒める場合や「なんでこんなことやるの!」と叱る場合がある時、同じ行為であっても自分の嫌いな「叱る」という行為に至った理由を探す、つまり子どもは親の「顔色を伺う」ようになるわけです。 それが大人になってからも続き、外に出ても周りの人の反応をみながら、正解である反応、「優等生」の
2023年6月19日
薬を飲むのに抵抗がある
こんにちは、心療内科医のゆうです。 今日は薬物療法についてお話したいと思います。心療内科、精神科分野では、薬物療法はあくまでも「補助治療」となります。 例えば感染症のように「〜菌」=「〇〇(抗生剤)」とは異なり、うつ病の治療≠抗うつ薬、ではありません。うつ病の治療ならまずはゆっくり休んで、「食う」「寝る」「遊ぶ」が出来るようになることが大まかな治療方針となるからです。 気力の源となる「セロトニン」は元々自分自身からも分泌されているものであるので、ゆっくり静養すれば、いずれは戻ってくるもの、ではあります(抗うつ薬がなかった時代はそのように長い時間をかけて静養していました)。ただ、現代社会は昔のようにうつだから、2年くらい何もせずゆっくり休みましょう、は難しい話かもしれません。また私見になりますが、薬の選択はうつ=抗うつ薬、不眠=睡眠薬という使い方をしていません。その背景にある根本の原因に働きかける薬を選択します。そして、症状が軽減できたところで、非薬物的な治療メインに切り替えていく、といった流れで治療を行っております。 近年問題になっている、ポリフ
2023年6月12日
ガリガリに痩せている
こんにちは、心療内科医のゆうです。 今日は神経性やせ症についてお話したいと思います。 神経性やせ症とは痩せているのに更に痩せようとし、太ることに対して強い恐怖感をもつ病気です。 神経性やせ症には食べないで痩せる「摂食制限型」と過食と自己誘発嘔吐や下剤乱用などにより排出させて痩せようとする、「過食排出型」の2種類があります。 基本的には思春期に発症することが大半で、中高年で発症の場合はほとんどありません(元々痩せの状態から表面化したのが、中高年という場合はありえます)。 そのため高齢者の食事摂取低下はこの神経性やせ症(摂食障害)ではありません。 神経性やせ症は併存する精神疾患がある場合が大半であり、身体的に危うくない状態まで体重を上げつつ、併存する精神疾患の治療を行うことが基本的な治療となります。 中等度以上(BMI16)で精神療法中心の治療に移行し、それ以前は身体管理中心の治療となります。 そのため、最重度~重度の神経性やせ症は総合病院で身体管理を行いながら治療することが基本となります。が、患者数に対して、治療機関がとても少ないという現状がありま
2023年6月5日
息がしにくい・パニックになる
こんにちは、心療内科医のゆうです。 今日はパニック障害についてお話したいと思います。パニック障害は、突然の動悸や過呼吸、冷や汗や吐き気などが生じ(パニック発作)、それが一定期間続くことによってパニック障害と診断されます。パニック発作自体はパニック障害以外の疾患でも生じますが、パニック障害の場合、ある特定の状況・条件で生じることがポイントとなります。人間の頭の中には不安を受け取る扁桃体という部位があり、ある特定の状況・条件により、この扁桃体で不安が惹起し、パニック発作、ひいてはパニック障害になる、というわけです。 パニック障害の治療としては薬物療法、曝露療法、認知行動療法などがありますが、当院では薬物療法で不安を限りなく軽減させた状態を作り、苦手になった状況に徐々に慣れ、「成功体験」を積んでもらう暴露療法を行っております。 他の疾患でもそうですが、時々パニック障害があるために、進学や就職、旅行などを諦めている患者さんがいらっしゃいます。パニック障害の場合、薬がとても良く効きますので、薬を使ってでも行動範囲を広げてもらうようにすることが人生のQual
2023年5月29日
気が散りやすい・ミスが多い
こんにちは、心療内科医のゆうです。 今日はADHDについてお話したいと思います。ADHDは注意欠如・多動症と言われ、題名の通り「気が散りやすい」「片付けや順序立てが出来ない」「ジッと座っていられない」「待てない」などの症状があります。ADHDの主な2大症状は「注意欠陥」と「多動」であり、どちらがメインの症状かによって治療(特に使用する薬剤)が若干異なります。最初は薬物療法で症状を制御し、そこからSST(Social Skill Training)などの精神療法を併用していくこととなります。またADHDは他の疾患と併存することも多く、初診時にしっかりとした診断面接を行い、「主診断」「併存症」と分けて捉えることが治療のスタートとなります。 ADHDの患者さんはミスしやすい、休職を繰り返す、対人関係でトラブルになる、勘違いされやすいなど、とても生き辛さを持っています。そして、その生き辛さから自尊心が傷つき、人によっては自殺する、といった選択をする人もいます。昨年もあるSNSで予告自殺した患者さん(私の患者さんではないですが)がいらっしゃいました。誰かが
2023年5月22日
昔からお腹が弱い
こんにちは、心療内科医のゆうです。 今回は消化器心身症のお話をしたいと思います。消化器心身症、と馴染みのない名前だと思いますが、これは「機能性胃腸症」や「過敏性腸症候群」をまとめたものです。ストレスにより、胃より上の消化器の「機能異常」を認めれば機能性胃腸症、胃より下の腸の「機能異常」を認めれば過敏性腸症候群、ということになります。 この消化器心身症は胃や腸の動きに異常があるため、胃カメラや大腸カメラでは特定することが出来ません。また、ストレスによって引き起こされるため、若年で発症することが一般的です。たとえば、ちびまる子ちゃんの「山根くん」のように、もともと胃腸が弱い子供が中高年になってから発症することもあります。逆に、元々胃腸が丈夫だった人が中高年になって急に発症することはまれです。この場合、アルコール性やSIBO(小腸過菌症候群)、胆汁酸再吸収障害などの可能性が考えられます。過敏性腸症候群の原因として、現在はセロトニンの「脳-腸相関」が関係あるとされています。腸に微小な炎症があると、サイトカインが頭に行き、脳で気分が沈むそれが腸にフィードバ
2023年5月15日
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