小田原市栄町の高井内科クリニック|内科・心療内科

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お盆です

こんにちは、心療内科医のゆうです。
今日は対象喪失反応・悲嘆についてお話したいと思います。対象喪失反応とは「愛着を持っている物・人を失った」際に現れる反応で、生きている限り必ず経験する当然の心の動きです。更にその失ってしまったことについて嘆き悲しむ反応を悲嘆と呼びます。悲嘆には「予期悲嘆」「単純悲嘆」「複雑性悲嘆」の3つがありますが、予期悲嘆や単純悲嘆は自然な反応である一方、複雑性悲嘆は病的悲嘆と呼ばれ、積極的な治療の対象となります。
さて、この対象喪失や悲嘆の治療は?と言われると、一番は「時間が解決する」ことになります。時間が経つとともに、失ったものがない生活に自身の生活が再構築され、それでまた「前を向かって」歩んでいくことが出来るようになります。しかし「じゃあ次に行ってみよう」と割り切ることは簡単ではありません。割り切るには「喪の作業」という心の整理が必要となります。日本では、この喪の作業にあたるのが葬儀や法事、お盆になるのではないかと思います。亡くなった人との思い出の時間は止まっているのに、自らは止まらない時間に急かされるように無理やり生き続けなくてはならない、歩み続けなければならないという試練から解放され、思い出の時間に浸れるのがお盆であり、それこそが喪の作業になります。それでも悲しみが止まらない、整理がつかない時はクリニックにいらっしゃってください。